寝る前のノイズを、捨てる。

人生

寝る前のノイズ

「ノイズ」は私たちの人生から豊かさを奪います。

一年以上着ていない服、埃をかぶった積読本、全然使っていない電化製品。

ですが、忘れてはならないのは「光」もノイズになるということ

「寝る前にスマホを見るのは良くない!スマホから発せられるブルーライトが睡眠ホルモンであるメラトニンを抑制するから」

一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ブルーライトによるメラトニン生成抑制は、より本質的な問題として「体内時計(サーカディアンリズム)のずれ」として解釈されます。専門的にはメラトニンリズムと睡眠・覚醒リズムの内的脱同調と呼ばれますが、簡単に言えば脳に「嘘の時間情報」を送るということ。

ヒトの脳は、朝日を浴びることで時刻をリセットし、夜に暗くなると安静モードに入るように進化してきました。

にもかかわらず、睡眠で休息すべき脳に、寝る前に強い光を浴びせることは、明らかな「ノイズ」。まるで「夜だ、休め!」という司令を受けながら、同時に「朝だ、起きろ!」と命令しているような状態。

この矛盾に直面した脳は、完全な休息モードに入ることができず混乱します。その結果、翌朝目覚めたときもダルさが残り、頭が重くなってしまいます。

日々のパフォーマンスが向上しないのは、個々の能力やモチベーションだけでなく、「光」というノイズによる脳のエラーではないでしょうか。

ノイズを捨てよ

では、どうすればいいでしょうか。

たしかに「スマホをナイトモードにする」「ブルーライトカット眼鏡をかける」といった対策がありますよね。これでノイズとなる「光」を遮断できるでしょう。

ですが、そこまでして死守しようとする「寝る前の暇つぶし」と、失われつつある「翌日の質の高い思考」。あなたの人生において、どちらがより価値のある資産でしょうか。

そう考えるようになって、僕は「光」の発生源となるデバイスを物理的に排除しています。スマホやiPadはベッドに持ち込まないし、それらのアラーム機能は使いません。

「アラームが必要だから、仕方ない」という声が聞こえてきそうです。

一度、冷静になって考えてみてください。

本当にアラームだけの問題でしょうか。

「アラームが必要だ」という事実を言い訳に、「ついSNSを見てしまう」という別の問題と混同していないですか。アラーム付きの目覚まし時計は数千円もあれば手に入るはず。それは質の高い思考という最高の資産を取り戻す、最善の投資ではありませんか。

精神論や根性論による説教をしたいわけではありません。ヒトの脳の仕組みに基づいた、極めて論理的な選択です。

あなたが捨てるべきは、寝る前の数十分の暇つぶし。その代わりに手に入るのは、翌日のクリアな思考、高いパフォーマンス、そして長期的な心身の健康。

そのノイズを手放すことは、どれほど賢明な投資でしょうか。まず、そのデバイスをリビングなどの睡眠とは関係ない場所に置きましょう。それがあなたの生活の質を最適化する、最も重要な一歩です。

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